大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(う)665号 判決

被告人 中川孝志

〔抄 録〕

論旨は、要するに、<中略>爆発物取締罰則九条は、本犯を蔵匿・隠避することによる法益侵害が本犯による法益侵害とは別次元の相当程度軽微なものであるにもかかわらず、法定刑を一〇年以下の懲役又は禁錮としていて、その上限は同罰則三条ないし五条の本犯のそれと同一であって、刑法一〇三条の犯人蔵匿・隠避罪の法定刑が二年以下の懲役又は罰金刑とされていることに対比しても著しく重く、右のような重罰規定を支える合理性は何ら見当らず、その内容において実体的適正手続を定める憲法三一条に違反し無効であって、原判示第一の事実に右罰則九条を適用した原判決は、法令の適用を誤ったものである旨主張するものである。

しかしながら、<中略>同罰則九条所定の犯罪行為に対しどのような法定刑を定めるかは立法政策の問題であって、憲法適否の問題ではなく、右犯罪行為の罪質、同罰則の立法趣旨・目的等にかんがみると、所論のような法定刑を定めることも立法機関に委ねられた裁量の範囲内にあって、憲法三一条に違反するものではないと解すべきことも、最高裁判所の累次の判例(昭和三七年九月一八日第三小法廷判決・裁判集刑事一四四号六四一頁、同四七年三月九日第一小法廷判決・刑集二六巻二号一五一頁、同五〇年四月一八日第二小法廷判決・刑集二九巻四号一四八頁、同五一年一一月二日第三小法廷判決・裁判集刑事二〇二号二〇五頁、同五三年一二月四日第二小法廷決定・裁判集刑事二一三号八九九頁等)の趣旨に徴し明らかであるから、同罰則九条が違憲無効であることを前提として法令適用の誤りをいう所論は、すでに右の各点において前提を欠き、失当たるを免れない。論旨は理由がない。

(草場 半谷 龍岡)

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